コンパイルを気にせず,TeXを書きたい
元々,「TeXファイルに書きながら逐一結果をPDFで見たい」という欲求があり,latexmkを使ったTeX環境を構築することでそれを実現してきた.
そこでは,
- TeXファイルがあるディレクトリに移動し,ターミナル上で
latexmk -pvc *.tex
と入力 - latexmkを起動させたまま,好きなエディタで自由にTexファイルを書き換える
- ファイルが更新される度に自動でコンパイル・PDF化が進み,開いているPDFビュアーが更新される
というような流れでコンパイル作業を忘れながら書き続けることができた.もちろん引数で渡した*.tex
関連のファイルを更新しても反応してくれ,差分を反映したPDFを都度書き出してくれる.
このやり方の詳細は以下を参照して欲しい.
さて,上の方法は今でも十分便利なのだが,Texpadというアプリを使えば上でやっていたことが簡単にできた上,+αで恩恵があったのでこの度乗り換えてみた.
ただし有料なので,「無料の方が良い」と言う方は,先に説明した上のやり方を試してみると良い.
Texpad
有料とは言ったがトライアル期間があるので,諸機能を試し見することは可能だ.(2019年3月現在)
Texpad公式サイト:https://www.texpad.com/
早速ダウンロードしてすでに手元にある複数のプロジェクトで立ち上げてみた.

するとどうか.
- 目次は自動で展開され,クリックで自由にアクセスできる.
- 自動コンパイルの設定がボタン一つで可能
- PDF上で気になる箇所をクリックすると,TeXファイルに該当する箇所に瞬時にとべる(逆も可能)
と,理想的な環境が簡単に手に入る.
upLaTeXに対応させる
持っていたプロジェクトの中では,uplatexでコンパイルせざるを得ないものがあった.どうやら標準ではuplatexに対応指定なさそうだった.
そこで,コンパイルするためのタイプセットを探したところ,以下のパスで定義されていた.
cd $HOME/Library/Application\ Support/Texpad/BuildScripts
実際にコンパイルで使われていたのは以下のファイルである.
latexmk.tpbuild
原因のファイルが判明したので,同じディレクトリに新規で「uplatex.tpbuild
」ファイルを作る.つまり,uplatexを実行してくれるうようにスクリプトを記述してみる訳である.
スクリプトは以下の通り.
※fishシェルを使っているので注意.bashやzshを使っている方は記述方法を変更して欲しい
uplatex.tpbuild
すると,Texpadを再起動後,作成したコンパイル方法を試すことができるようになる.手順は以下を参考にして欲しい.

設定後,改めてビルドをしてみると通ったので無事に成功.

Build Scriptファイルを使いこなすことで,編集しているTexごとに柔軟に対応ができそう.